こちらでは、震災後の福島県における医療事情に焦点をあてて解説させて頂きたいと思います。
医療従事者の流出が深刻化!福島の現状
2012年2月現在、7箇所の病院が診療を休止しており、まだ福島の医療が本当の意味で復興への道を進み始めたとは言いがたい状況です。
これは言うまでもなく、
福島の沿岸部中央にある電子力発電所事故の爪痕…。
診療を再開した病院でも、警戒区域に近いエリア・緊急時避難準備区域となっていた南相馬などでは医療従事者の流出が深刻な問題になっています。
福島県としても深刻化を防ぐため、医療従事者の流出に歯止めをかける対策を講じていないわけではありません。
避難区域内の病院に在籍している看護師を、表向き元の病院に勤務しているという形にした上で外部で働いてもらう制度を設けています。要するに、他のエリアに出向して看護師をしてもらい、原発事故が収束した後で戻ってきてもらうようにしているわけですね。
しかし、実際には避難区域になっている双葉町・浪江町などの看護師や助産師が区域外の病院に完全転職してしまう事例が相次いでおり、長期的な人材確保に成功しているとは言えない状況になっています。
福島の医療行政には様々な問題も…
県民の不安が高まる一方なのにもかかわらず、福島の医療行政はずさんさを露呈しています。
予め“がん・白血病の発生と原発事故に因果関係なし”という結論を用意した上で、県民健康管理調査の準備会を行っている始末です。
調査をする前から結論を決めつけているのを見る限り、どうも東京電力・政府を擁護するためにかき集められた組織としか思えません。
しかも、出席者に「準備会の存在を外部の人間に言うな」と口止めまでしていたのです。
(毎日新聞朝刊の報道より)
正直、福島の医療を本気で再生させる気があるようには感じられませんね…。
行政が現状のような対応をしている限り、福島県民は健康問題について政府の発表を信じる気にはなれないでしょう。福島の医療を本当の意味で再生させるには、民間の力・医療従事者1人ひとりの意識が大切なんだと思います。
安心して暮らせる福島を、私たちの手で取り戻しましょう!
人材不足に加えて行政までも迷走している今、医療従事者である私たち個人個人が出来る範囲で医療再生を目指すしかありません。