こちらでは、福島県の看護師不足の問題について現況を説明したいと思います。
福島の看護師不足ってどれくらい大変なの?
2012年の8月末、看護師・保健師の求職者は174人でした。
それに対して求人は768人…!
なんと、応募している看護師全員が就職しても、求人の1/4さえ埋まらない状態なのです。
震災前の2011年2月末、看護師・保健師の求職者は216人いました。それに対する求人は366人。当時から看護師不足ではありましたが、それでも今よりは真っ当な状況だったといえるでしょう。
この原因には原発事故で子どものいる看護師が流出したことが挙げられますが、それだけではありません。避難生活が長引いたことで患者はどんどん増え、看護師の勤務時間は延びる一方…。
労働条件が悪化してしまったせいで、福島から出て行くわけでもないのに離職する看護師まで増えているのです。これでは看護師不足が解消するはずもありませんね…。
だというのに、避難先から地元・福島に帰って看護師に復職しようとしても住宅不足でマンション・アパートが見つからず、復職を諦めてしまう方も多いのだとか。
慢性的な看護師不足は、解決の端緒さえ見つからない状況になってしまっているのです。
福島復興には看護師が不可欠!
そもそも、福島の看護師不足が問題になっているのは放射線被曝による健康被害を
懸念する人が多いからです。
しかし、もしも将来的に放射線被曝による健康問題が表面化した場合、福島県内に医療従事者がいないのでは大問題になってしまいます。むしろ、福島を復興させるためにこそ医療関係者の確保が大切ではないでしょうか?
もちろん、原子力発電所の近辺に勤務するのが不安なのは人間として当たり前。「可能なら他の場所へ…」と考える方々を非難することはできません。
ともすると外部へ避難する人を“逃げた”と捉える風潮もあるようですが、一連の問題に際して責任があるのは東京電力であり、原発を推進してきた政府・経産省です。ここで自分の健康を第一に考えて行動している個人を責めるわけにはいかないでしょう。
でも、もし出来るなら県外にまでは出て行かず、
福島県内の内陸エリアなど原発から離れた地域で看護師の仕事を続けてほしい。
それが、震災後の福島に生きる全ての人にとって何よりも有益なのです。
1人でも多くの看護師さんが、福島復興のために県内に残ってくれたら…。そう願ってやみません。
ただ、小さな子どものいる看護師さんの気持ちも分かりますので、強く要請するのもはばかられ…本当に難しい問題だと思います。