こちらでは、震災後の福島で起こっている看護師の問題について少し掘り下げていきたいと思います。
震災以降、看護師のメンタルにも変化が…
2012年10月17日、福島県看護学会が郡山市で開催されました。
そこで問題になったのは、震災・原発事故によって看護師の心理状態に大きな影響があったことです。
例えば、家族・親戚などから福島県内で看護師として働くことを止められたりした場合に“家族としての心情”と“看護師としての使命感”の間で気持ちが揺れることがあります。
一個人として「家族に心配をかけたくない」という気持ちが生じるのは当然ですが、同時に「福島が大変な今、自分が看護師の役割を果たさなければ」という義務感も大きなものがあるのです。
これは特に、生真面目な性質の方に多く見られる傾向でしょう。こういった葛藤が続くにつれ、どちらを重視するべきか悩んで精神的に弱ってしまう方も少なくないようです。
実際、会津地方の看護師34人にストレスに関する聞き取り調査を行ったところ、うち4人が非常に強いストレスを感じていることが分かりました。PTSD(心的外傷後ストレス障害)を引き起こす可能性があり、実際に感覚麻痺・現実逃避といった回避症状の傾向あったそうです。
看護師自身も被災者であり震災による心理的影響を受けているのにも関わらず、そこに震災後の労働環境悪化・気持ちの揺れなどが加わってしまえば無理もない帰結でしょう。
震災後の福島では、看護師にもケアが必要!
震災以降の福島県においては、看護師が仕事を続けるためにカウンセラーを必要としているような状態なのです。今後、震災当時から福島で働いている看護師さんを対象に、臨床心理士のカウンセリングを行うなどの具体的な対処が望まれますね。
同時に、少しずつではありますが復興・再生へ向けて動き出している今、外部から元気な看護師さんがヘルプに来てくれることも強く望まれているのです。
震災当時から頑張ってきた看護師さんに休息を与え、精神的ケアを行うためにも、その間に福島の看護を受け持ってくれる人員が確保できると助かります。
福島の患者さん、そして看護師さんを救うために1人でも多くの方の協力が必要です!